Fanatec CSL Pedals レビュー|ロードセルブレーキで走りが変わる
ペダルはハンコン選びで最重要パーツ
レースシムにおいて、ペダルはステアリング以上に重要だという意見がある。正確なブレーキングこそがラップタイムの鍵を握るからだ。
Fanatec CSL Pedalsは、エントリー向け価格帯でありながら、ロードセルブレーキへのアップグレードパスを持つ意欲的な製品である。標準状態でも十分な品質を持ちながら、将来的な拡張性も確保している点が魅力だ。
フルメタル構造の質感
CSL Pedalsを手に取ってまず驚くのは、その質感である。この価格帯の製品としては異例のフルメタル構造を採用しており、プラスチック製ペダルとは比較にならない剛性感がある。
ペダルフェイスはアルミ製で、滑り止め加工が施されている。靴下やスリッパでの使用でも滑りにくく、レーシングシューズを用意する必要はない。
ベースプレートはスチール製で、十分な重量がある。カーペットの上での使用でも、激しいブレーキングで動いてしまうことはほとんどない。
ロードセルブレーキという革命
CSL Pedalsの真価は、Load Cell Kitを追加することで発揮される。
通常のポテンショメーター式ブレーキは、ペダルの「移動量」で制動力が決まる。一方、ロードセルブレーキは「踏力」——つまり踏む力で制動力が決まる。
この違いは実車のブレーキフィーリングに近い。実車でもブレーキペダルはほとんど動かず、踏む力の強さでブレーキの効き具合が変わる。
ロードセル導入のメリット
- 一貫性のあるブレーキング: 踏力で制御するため、毎回同じブレーキングが可能
- 筋肉の記憶: 足の筋肉が覚えた踏力で再現性が高まる
- トレイルブレーキングの精度向上: コーナー進入時の微妙なブレーキ調整が容易に
- ABS介入の制御: ロック直前の繊細なコントロールが可能
実際、ロードセルブレーキ導入後は、多くのユーザーがラップタイムの向上を報告している。
ペダル調整機能
CSL Pedalsは、ペダル位置の調整が可能である。
- ペダル角度: 好みに応じて調整可能
- ペダル間隔: 足のサイズや好みに合わせて変更
- ブレーキ硬さ: Load Cell Kit使用時、エラストマーの交換で調整
特にブレーキの硬さ調整は重要だ。Load Cell Kitには複数の硬さのエラストマーが付属しており、好みに応じて交換できる。柔らかめが好きか、硬めでスパッと踏みたいか——自分のスタイルに合わせてカスタマイズ可能だ。
2ペダルと3ペダルの選択
CSL Pedalsは標準で2ペダル(アクセル・ブレーキ)構成だ。クラッチペダルが必要な場合は、Clutch Kitを別途購入する必要がある。
2ペダルで十分なケース
- GT7やF1シリーズなど、パドルシフト主体のゲームをメインにプレイ
- シーケンシャルシフターを使用する予定
- コックピットのスペースが限られている
3ペダルが必要なケース
- H-パターンシフターでマニュアル操作したい
- Assetto CorsaやiRacingでヴィンテージカーを楽しみたい
- ヒール&トゥを練習したい
3ペダル化は後からでも可能なので、最初は2ペダルから始めて、必要に応じて追加するのも賢い選択だ。
接続方法
CSL PedalsはFanatec製ホイールベースとRJ12ケーブルで接続できる。この場合、ペダルへの電源供給と信号伝送がホイールベース経由で行われ、シンプルな構成になる。
他社製ホイールベースや、PC直接接続の場合は、USB Adapter(別売)が必要。USB接続なら、ほぼすべてのレースシムで使用可能だ。
競合製品との比較
| 製品 | ブレーキ方式 | ペダル数 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| Fanatec CSL Pedals | ポテンショ/ロードセル | 2(3化可能) | 約1.5万円〜 |
| Thrustmaster T-LCM | ロードセル | 3 | 約3万円 |
| Logitech G Pro Pedals | ロードセル | 3 | 約4万円 |
Load Cell Kit込みでもT-LCMより安価に、ロードセルブレーキ環境を構築できる。コストパフォーマンスは非常に高い。
設置上の注意点
ロードセルブレーキは強い踏力を必要とするため、ペダルの固定が重要になる。
カーペット上での使用でも、Load Cell Kit使用時はペダルが後方に滑りやすい。以下の対策を検討したい:
- コックピットへの固定: 最も確実な方法
- 滑り止めマットの使用: 簡易的だが効果あり
- 壁への押し付け: ペダル背面を壁に接触させる
長時間のレースでペダルがズレていくストレスは、集中力を大きく削ぐ。設置環境は事前にしっかり検討しておこう。
まとめ
Fanatec CSL Pedalsは、エントリー向けでありながら本格的なシムレーシング体験を提供する製品である。
- フルメタル構造による高い質感
- ロードセルブレーキへのアップグレードパス
- 柔軟な調整機能
- 優れたコストパフォーマンス
ロードセルブレーキの効果は絶大だ。一度体験すれば、なぜ多くのシムレーサーがペダルにこだわるのかが理解できるだろう。
GT DD Proやその他のFanatec製品との組み合わせはもちろん、他社製ホイールベースとの組み合わせでも優れた選択肢となる。シムレーシング環境構築の第一歩として、強くおすすめしたい製品だ。
スペック一覧
| ペダル数 | 2ペダル(3ペダル化オプションあり) |
|---|---|
| ブレーキ方式 | ポテンショメーター(ロードセル化可能) |
| 素材 | フルメタル構造 |
| 調整機能 | ペダル角度・間隔調整可能 |
| 接続 | RJ12(Fanatec製品)/ USB |
| 重量 | 約3.2kg |
よくある質問
Q. Load Cell Kitは絶対に必要?
A. 必須ではありませんが、強く推奨します。ロードセルブレーキは踏む「力」で制動力が決まるため、実車に近い感覚で安定したブレーキングが可能になります。
Q. クラッチペダルは後から追加できる?
A. はい。Clutch Kit(別売)を追加することで3ペダル化できます。H-パターンシフターを使いたい場合は追加を検討してください。
Q. Fanatec以外のホイールベースでも使える?
A. USB接続に対応しているため、他社製品でも使用可能です。ただし、RJ12接続によるシームレスな連携はFanatec製品限定です。
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