ハンコン・レーシング

Fanatec CSL Shifter レビュー|H-パターン×シーケンシャル両対応の万能シフター

シフト操作がシムレーシングを変える

パドルシフトが主流の現代レーシングにおいて、なぜマニュアルシフターが必要なのか。

その答えは「没入感」と「楽しさ」にある。

ヴィンテージカー、GTカー、ラリーカー——これらの車種をパドルシフトで操作するのは、どこか物足りない。クラッチを踏み、シフトレバーを操作し、エンジン回転を合わせてギアを入れる。この一連の動作こそが、ドライビングの醍醐味だ。

Fanatec CSL Shifterは、その体験を手軽に実現できる製品である。

H-パターンとシーケンシャルの両立

CSL Shifterの最大の特徴は、H-パターンとシーケンシャルの両モードに対応していることだ。

H-パターンモード

一般的な乗用車と同じ、ゲート式のシフトパターン。1速から7速まで対応し、リバースギアも完備。

クラッチペダルと組み合わせて使用することで、実車さながらのシフト操作が楽しめる。ヒール&トゥ、ダブルクラッチ——これらのテクニックをシムで練習することも可能だ。

シーケンシャルモード

前後に倒すだけでシフトアップ/ダウンが可能なモード。レーシングカーやラリーカーの多くが採用する方式だ。

クラッチ操作が不要(ゲームの設定による)で、素早いシフトチェンジが可能。タイムアタックやオンラインレースでは、こちらのモードが有利な場面が多い。

切り替えは簡単

H-パターンとシーケンシャルの切り替えは、工具不要で行える。

  1. シフター上部のプレートを取り外す
  2. 内部のシフトメカニズムを回転させる
  3. プレートを戻す

所要時間は数分程度。気分や使用する車種に応じて、気軽にモードを変更できる。

ただし、プレイ中のホットスワップには対応していない。モード変更時は一度ゲームを終了する必要がある。

金属製の質感

CSL Shifterは、価格帯を考えると驚くほどの質感を持っている。

シフトノブは金属製で、しっかりとした重量感がある。シフトゲートプレートもメタル製で、ガイドがカチッと決まる感触が心地よい。

ギアの入り感——いわゆる「ノッチ感」——も十分にある。H-パターンで各ギアに入れる際のクリック感は、安価なシフターでは味わえない確かなフィードバックだ。

RJ12接続の注意点

CSL ShifterはFanatec製品専用のRJ12接続を採用している。

これはメリットでもありデメリットでもある。

メリット

  • ホイールベースから電源供給されるため、別途電源不要
  • Fanatecエコシステム内でのシームレスな連携
  • 安定した接続

デメリット

  • Fanatec以外のホイールベースでは使用不可
  • サードパーティ製USBアダプターを使えば他社製品でも使えるが、追加コストと設定が必要

Fanatec製品でシステムを構築しているユーザーにとっては問題ないが、他社製ホイールベースを使用している場合は注意が必要だ。

取り付け方法

CSL Shifterには、デスクやコックピットへの取り付け用クランプが付属している。

デスクマウント

付属のクランプで、デスクの端に固定できる。厚さ60mmまでのデスクに対応しており、多くの環境で使用可能だ。

ただし、激しいシフト操作でデスクが揺れることがある。安定性を求めるなら、コックピットへの固定を推奨する。

コックピット固定

多くのコックピットには、シフター用のマウントポイントが用意されている。ボルトで直接固定することで、完璧な安定性が得られる。

シフターの位置は、実車と同じくシートの右側(左ハンドル車の場合)に配置するのが一般的。ただし、好みに応じて左側への配置も可能だ。

シーケンシャルシフターとの比較

シーケンシャル専用のシフターと比較した場合、CSL Shifterにはいくつかの違いがある。

項目CSL Shifter(SEQモード)専用シーケンシャル
シフト感触ソフトハード(製品による)
ストロークやや長め短い
反応速度十分やや速い
価格約2万円3〜10万円

本格的なシーケンシャルシフターと比べると、CSL Shifterのシーケンシャルモードはやや物足りないという声もある。しかし、両モード対応という汎用性を考えれば、十分な性能だ。

どんなユーザーにおすすめか

CSL Shifterは、以下のようなユーザーに最適だ:

おすすめ

  • Assetto Corsaでヴィンテージカーを楽しみたい
  • DiRT Rally 2.0でラリー体験をしたい
  • GT7でクラシックカーを乗り回したい
  • H-パターンもシーケンシャルも両方使いたい

別の選択肢を検討すべき

  • シーケンシャルのみで十分(→ より安価な製品を検討)
  • Fanatec以外のホイールベースを使用中(→ USB対応製品を検討)
  • 超高級シフターの質感を求める(→ Heusinkveld等を検討)

まとめ

Fanatec CSL Shifterは、H-パターンとシーケンシャルの両方に対応した、コストパフォーマンスに優れたシフターである。

  • モード切替による汎用性
  • 金属製の高い質感
  • Fanatecエコシステムとの統合
  • 手の届きやすい価格

パドルシフトだけでは味わえない、マニュアル操作の楽しさを体験したいなら、CSL Shifterは間違いない選択だ。

クラッチペダルと組み合わせて、本格的なマニュアルドライビングの世界へ足を踏み入れよう。ヒール&トゥが決まった時の快感は、シムレーシングの醍醐味の一つである。

スペック一覧

シフトパターン H-パターン / シーケンシャル切替式
ギア数 7速 + リバース
素材 金属製シフトノブ・プレート
接続 RJ12(Fanatec専用)
取付 クランプ式 / コックピット固定
重量 約1.2kg

よくある質問

Q. Fanatec以外のホイールベースで使える?

A. いいえ。CSL ShifterはRJ12接続のFanatec専用デバイスです。他社製品で使用するには、サードパーティ製のUSBアダプターが必要になります。

Q. シーケンシャルへの切り替えは簡単?

A. はい。シフター上部のプレートを外して内部の固定位置を変更するだけです。工具不要で数分で完了します。

Q. クラッチなしでも使える?

A. シーケンシャルモードであればクラッチ不要です。H-パターンでもオートクラッチ設定があるゲームなら使用可能ですが、本来の楽しみ方はクラッチ連動です。

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