Next Level Racing GTtrack レビュー|本格コックピットで没入感を最大化
なぜコックピットが必要なのか
シムレーシングにおいて、コックピット(リグ)は贅沢品ではなく必需品である——そう断言できる理由がある。
デスクマウントでは、強いFFB(フォースフィードバック)によりデスクが振動し、没入感が損なわれる。ロードセルブレーキの踏力にデスクが耐えられず、プレイ中にペダルがズレていく。これらの問題は、専用コックピットを導入することで完全に解消される。
Next Level Racing GTtrackは、その解決策として最適な選択肢の一つだ。
圧倒的な剛性感
GTtrackを実際に触れてまず感じるのは、その剛性感である。
メインフレームは太いスチールパイプで構成され、ホイールベースをマウントする部分は特に強化されている。25Nm以上のハイトルクダイレクトドライブをフル稼働させても、フレームのたわみや振動は感じられない。
この剛性は、シムレーシングにおいて極めて重要だ。フレームが振動すれば、せっかくの繊細なFFBがノイズに埋もれてしまう。GTtrackでは、ホイールベースからの情報がダイレクトに手のひらに伝わってくる。
バケットシートの快適性
GTtrackに付属するバケットシートは、レーシングカーを彷彿とさせるデザインである。
サイドサポートがしっかりしており、激しいコーナリングでも体が左右にブレにくい。これは長時間のレースにおいて疲労軽減に直結する。
シート表面は合成皮革で、適度なクッション性がある。2時間以上の耐久レースでも、尻や背中の痛みを感じにくい設計だ。
ただし、体格によってはサイドサポートがきつく感じる場合もある。大柄なユーザーは、購入前にサイズを確認しておきたい。
豊富な調整機能
GTtrackの大きな特徴が、その調整機能の豊富さである。
シートポジション
- 前後位置: ペダルまでの距離を調整
- 高さ: 視線の高さを調整
- リクライニング: 背もたれの角度を調整
ホイールデッキ
- 高さ: ステアリングの高さを調整
- 角度: ステアリングの傾きを調整
- 前後位置: 腕の伸ばし具合を調整
ペダルプレート
- 角度: ペダルの傾斜を調整
- 高さ: ヒールプレートの高さを調整
これらの調整により、実車に近いドライビングポジションを再現できる。GT車両のような低いポジション、フォーミュラカーのような足を伸ばしたポジション——さまざまなスタイルに対応可能だ。
モーションプラットフォーム対応
GTtrackは、Next Level Racing製のモーションプラットフォーム「Motion Platform V3」に対応している。
モーションプラットフォームを追加すると、加速・減速・コーナリングに応じてシート全体が動く。これにより、Gフォースを疑似的に体感できるようになり、没入感は飛躍的に向上する。
現時点でモーションが不要でも、将来的なアップグレードパスがあるのは大きなメリットだ。
組み立てと設置
GTtrackの組み立ては、説明書に従えば特別な工具なしで完了できる。付属の工具で十分だ。
ただし、パーツ点数が多く重量もあるため、2人での作業を推奨する。特にシートの取り付けは、一人では困難だ。
組み立て時間は2〜3時間程度。急がず、各ボルトをしっかり締めていこう。
設置スペース
GTtrackの設置には、以下のスペースが必要:
- 長さ: 約200cm
- 幅: 約80cm
- 高さ: 約130cm(シート含む)
加えて、乗り降りのスペースや、モニター・PCの配置も考慮する必要がある。6畳程度の部屋であれば、かなりの存在感になることを覚悟しよう。
ケーブルマネジメント
GTtrackには、ケーブルを通すためのホールやクリップが各所に設けられている。
ホイールベース、ペダル、シフター、ハンドブレーキ——シムレーシング環境はケーブルが多くなりがちだ。GTtrackのケーブルマネジメント機能を活用すれば、見た目もすっきりし、足元にケーブルが絡まる心配もない。
競合製品との比較
| 製品 | 素材 | シート | モーション対応 | 価格帯 |
|---|---|---|---|---|
| NLR GTtrack | スチール | 付属 | ◎ | 約15万円 |
| NLR GT Lite | アルミ | 別売 | × | 約4万円 |
| Playseat Evolution | スチール | 付属 | × | 約5万円 |
| Sim-Lab GT1-EVO | アルミプロファイル | 別売 | ○ | 約10万円〜 |
GTtrackは「シート付きで即座に使える本格コックピット」という位置づけ。シートを別途選ぶ手間が不要で、届いたその日から理想的な環境が手に入る。
デメリット
GTtrackにもデメリットはある。
折りたたみ不可
GT Liteのような折りたたみ機能はない。一度設置したら、その場所に常設することになる。部屋のスペースに余裕がない場合は、GT Liteや他の折りたたみ可能な製品を検討すべきだ。
重量
シート込みで約65kgあり、一人での移動は困難。設置場所は慎重に決める必要がある。
価格
約15万円という価格は、決して安くない。しかし、この剛性感と調整機能、付属シートの品質を考えれば、コストパフォーマンスは高いと評価できる。
まとめ
Next Level Racing GTtrackは、本格的なシムレーシング環境を構築したいユーザーにとって、最適な選択肢の一つである。
- 25Nm以上に対応する圧倒的な剛性
- 快適なバケットシート付属
- 豊富な調整機能
- モーションプラットフォーム対応
デスクマウントからの卒業を考えているなら、GTtrackは間違いない選択だ。一度この環境でプレイすれば、もう後戻りはできなくなるだろう。
シムレーシングへの本気度が高いユーザーに、自信を持っておすすめしたい製品である。
スペック一覧
| フレーム素材 | スチール |
|---|---|
| 最大対応トルク | 25Nm以上 |
| シート | 専用バケットシート付属 |
| 調整機能 | ペダル/シート/ホイール位置・角度 |
| 折りたたみ | 不可 |
| 重量 | 約65kg(シート込み) |
よくある質問
Q. 部屋に置くスペースはどれくらい必要?
A. 設置には約200cm×80cmのスペースが必要です。また、組み立て時は部品を広げるため、さらに広いスペースがあると作業しやすいです。
Q. 一人で組み立てられる?
A. 可能ですが、2人での組み立てを推奨します。特にシートの取り付けは重量があるため、補助があると安全です。組み立て時間は2〜3時間程度。
Q. ダイレクトドライブに対応している?
A. はい。25Nm以上のハイトルクダイレクトドライブにも対応しています。Fanatec DD1/DD2、Simucube 2等の高トルク機種も問題なく使用可能です。
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